先日友人に誘われ広島県にある大久野島の遺跡巡りに参加しました。
ここは第一次世界大戦時に毒ガス製造工場が立ち並び
機密保持のため長い間地図からも抹消されていた島です。
島には毒ガス資料館のほかにも製造当時の遺跡がそのまま保存され
毒ガス貯蔵庫跡や火薬庫跡、発電所跡や防空壕など
生々しい姿で残っていました。
この島が軍用地になってからも、ここで働く人々の多くは
自分たちの製造しているものが危険な殺戮兵器だとは知らされず
生産過程や戦後の処理過程で障害を負い命を落とされたそうです。
再び同じ過ちを繰り返すことのないよう
犠牲になった方たちを悼み毎年10月には慰霊式が行われるそうです。
悲惨な歴史のある島でしたが、今では当時動物実験で使われた
ウサギたちを新たに放ち平和の象徴として保存されていました。
かつては人間のエゴによって犠牲になったウサギたちですが
現在では野生化し、人を恐れることなく逞しく繁殖していました。
島中に広がる悲しい遺跡に気持ちが重くなり胸が塞がれましたが
うさぎたちの愛らしい姿は心から「平和」であることの大切さを感じさせてくれました。
今ではこの島は 『うさぎ島』 とよばれ、多くの観光客の心を和ませてくれています。