城崎の有名な伝統工芸といえば『麦わら細工』です。
国内で唯一、ストロー状の麦わらを一本一本手作業で開き細工する
大変な根気と熟練した技を必要とする伝統工芸です。
旅の二日目、私達は温泉街の中央にある『麦わら細工伝承館』を訪れてみました。
ちょうど館内が空いていたので、館長さんが製作過程から作品の由来まで
とても丁寧にわかりやすくレクチャーして下さいました。
着色した麦わらを風土に合った湿度で乾かした後、小刀で開き平らに鞣します。
まずそれだけの作業でも素人では相当な時間がかかりそうでした。
そして、テープ状になった麦わらを重ね合わせ複雑な模様を作ったり
下絵に合わせ切り抜き、立体感のある絵画に仕上げたりと大変な手間のかかるものでした。
その始まりは享保年間(1716~)といわれていますが
江戸時代後期に現在と変わらないほどの高い技術が確立されたそうです。
城崎に麦わら細工が生まれてから、従事する人々の努力と技術の発展に努めた結果
名人といわれる職人を数多く生み出して来られたそうで
館内には江戸時代から現在までの素晴らしい作品が数多く展示されていました。
接着にはすべて米と水を練ったのりを使い、ひとつの作品を数週間かけて製作されるそうです。
昔はこの箱がこの地方の嫁入り道具のひとつとして使われていたそうで
麦わらを貼り付ける前の材質は丈夫で長持ちする桐を使用した贅沢なものでした。
現在は職人も減り技術継承が難しくなってきたそうですが
この素晴らしい文化を地域で守ろうとされているご様子が館長さんのお話から伝わってきました。