昨日は神戸市立博物館で開催中の『マウリッツハイツ美術館展』を観に行きました。
オランダのハーグにあるこの美術館はオランダ領ブラジルの総督を務めた
ナッサウ伯ヨーハン・マウリッツの邸宅を使い1822年に開館したそうです。
オランダ絵画の殿堂として世界的に知られ17世紀オランダ・フランドル絵画の
名品約800点を所蔵しており、今回改修工事に入るのを機に
最も人気の高いフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』やレンブラントの『自画像』など
珠玉の名品48点の出品が実現したそうです。
前々からとても楽しみにしており、出来るだけ空いた日に・・・と思ったのですが
平日の昨日も大変な人出で、当日券に並んでいる人がたくさんいました。
作品は風景画、歴史画、肖像画やトロー二、静物画、風俗画と各ブース趣向を凝らした展示で
50点近い作品を音声ガイドを聴きながら観て回るのに2時間以上たっぷりとかかりました。
しかし・・・どの作品も本当に素晴らしかったです。
17世紀のオランダ・フランドル絵画が栄えた時期は、大航海時代を経て芸術以外にも
豊かな経済力を背景に国力が最も高まった時代でした。
それまで、歴史画や宗教画、肖像画が中心だった絵画の世界が、
アムステルダムを中心に開花した『オランダ絵画』では日常を描いた風景画や風俗画を
フェルメール、レンブラント、フランス・ハルス等が活気あふれる自国を誇りを持って描き
一方アントワープを中心に展開した『フランドル絵画』の代表的な画家ルーベンスが
イタリア美術と故郷の写実性を結びつけ、輝くような色彩と躍動感溢れる作品を残すなど
短期間に多くの画家達が活躍した美術史上でも大変稀な時代だったのです。
フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』はもちろん素晴らしい作品で
圧倒的な存在感がありましたが、私はヤーコブやサロモンの静かな風景画や
ピーテル・クライスゾーンの透明感さえ感じる写実的な静物画にとても感動しました 😳