Cantabile(カンタービレ)歌うように・表現力豊かに
古くからイタリアでは、音楽は習うものではなく『自ら発散するもの』
という考え方があります。
上手い下手は関係なく、自然に湧き出る気持ちをそのまま音に乗せて表現する
それが音楽なのです。
cantabileはもともと『歌う』という意味のcantare(カンターレ)が原形です。
歌うように奏で、なめらかに流れるよう歌う。
この美しいcantabileの世界が人に伝わったとき初めて感動が生まれてくるのです。
ところで、イタリアの小学校にはカリキュラムに沿った音楽の授業はありません。
ピアノが家にある家庭もごくわずかだそうです。
ですから、ほとんどのイタリア人は楽譜を読むことも楽器を弾くことも出来ません。
それなのに歌の上手い人が多いのは、やはり自分の気持ちを表現することが得意な
イタリア人ならではの国民性なのでしょう。
実際の演奏でのcantabileで大切なのは、まずレガートです。
フレーズをなめらかに気持ちのよいテンポで美しく歌うように弾きましょう。
次回はAmabile(アマービレ)についてお話します。